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short PARADOXXX(ハイキュー)

第27章 peace of mind 赤葦


ーその後

彼女に言われた通り、食事をしながらざっくばらんに宇内先生と色々な話をした

宇内先生が今よりもっと血気盛んだったってことや、挫折したこと

自分達がやってた頃より、今のバレーボールはもっとハイレベルだってこと

主人公はVリーグがいいか高校のバレー部がいいかって話した時に、声を揃えて

「高校」

と言ったのには思わず笑った

そして最後に宇内先生は

「今度一緒にバレーボールやりませんか?俺、赤葦さんのトスで打ってみたいです」

と言って微笑んだ


俺たちは正に二人三脚で作品を作り上げ、新作は大ヒットを記録した




ところまでは良かったのだが


「先生、来月の受賞記念パーティーなんですけど、迎えは俺が行きますか?え、タクシー?分かりました、じゃあ領収書貰ってくださいね!経費で…経費?」

経費!!!

またも経費報告を忘れていたことに気がついた

作品の大ヒットのおかげで、文字通り目が回るほど忙しかった

巻頭カラーを飾ると聞けば、その打ち合わせもあったりで、第一週刊連載って毎週毎週原稿貰ってチェックして載せるだけでもかなりの労力だし…

俺は慌てて経理部に電話しようと思ったが、すぐに出なければいけない仕事があり、そのまま会社を飛び出して行った




はぁぁ…疲れた

仕事を終えて、社に戻った頃には日付を跨ぐ寸前だった

「うわ、もうこんな時間か」

さっさと経費報告を終わらせて、帰宅しよう

フロアに入ると、編集長が待ってくれていた

「遅くまでご苦労だったな、そのまま帰ってもよかったのに」

「いえ、経費報告明日までなのに忘れてたので」

「そうか、それじゃ俺は先に帰るぞ」

「待ってていただいてすみませんでした」

「いや、こっちも仕事があったし。あ、そうそう経費と言えば、経理部の部長と若い経理主任が今日バトルしてたらしいぞ」

「そうなんですか?」

「なんでも、経理部長が編集部が経費を使いすぎてるから来年度の予算を大幅にカットするって言い出したそうだ」

「そんな、困ります。取材などで現地に行かなければいけないことも多いですし」

「だろ?で、それを若い経理主任が真っ向から戦って俺たちを守ってくれたんだとよ、ありがたいねぇ」
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