第4章 高嶺の花が乱れるまで
「水族館…何年ぶりかなぁ」
今にもはしゃぎそうだから
手を繋いで
「俺から離れないでね」
「うん、離れません!」
歩いた
子供らしくて可愛らしい部分もあるけど
「わぁ…綺麗…」
大人っぽく色気のある美しい表情もできて
本当に最強だと思う
「あ、イルカショーだって!行こ行こ!」
「危ないから走らないでよ、歩いてても間に合うから」
「はーい、カルマくんってなんか大人だね」
「そう?」
ゆいなちゃんの知らないところで
喧嘩ばっかりだけどね
「うん、私はあんまり外に行けなかったから珍しいものばっかりではしゃいじゃう…ごめんね」
「ううん、そういうところ好きだよ」
「嬉しい、ありがとう」
高嶺の花だって言われて
学校のマドンナである彼女の
こんな笑顔を俺が見ているなんて
誰も知る由はなかった