第5章 恋
「そりゃあそれは好きってことだろ?」
任務が終わってかすり傷をしてしまった私は硝子ちゃんに治してもらっていた。
そこで最近なんだか傑くんといるとドキドキするなんていう相談をしていた。
「す、すき…なのかな」
「まぁさ、どっちを選んでもクソだから変わりはしないと思うけどな」
どっちを選んでもクソ…
「そんなこと……あるかぁ」
たしかにどっちもクソか…悟はストレートに物事を言うけど、傑くんは遠回しに嫌味を言うからなぁ…うん、確かにクソだな。
頭の中で考えていると治療が終わった。
「はい、終わり」
「硝子ちゃんありがとう!あ、これ大阪土産〜」
私は硝子ちゃんにお土産を渡して悟達を探しに校舎の中を歩いていた。
「〜」
後ろからにゅっと伸びてきた長い手を避けれず、私は悟の腕の中におさまった。
「…悟??悟く〜ん??」
ただぎゅーっと私を抱き締めて喋らない悟。
「あのー…痛いんですけどー」
ただただ無言で私を抱きしめる力を強める
「……から」
「え?」
「だから…が怪我したって聞いたから心配した」
「いや…かすり傷だし」
身を捩って悟の拘束から抜け出そうとするがビクともしない。
「俺が守るって言ったからな、勝手に死ぬなよ?怪我も許さねぇから」