第25章 光
──しっかりしろ、あたし。
あの人は今も戦ってる。凹んでる暇はないんだ。
ここで嘆いていても何も変わらない。
「そうよね。大人しく待ってるだけなんて性に合わない。ありがとう2人とも。おかげで目が覚めたよ」
あたしは覚悟を決めて、目の前の男に視線を移す。
「ゾロ、あなたの言うとおりよ。あたし、きっと置いてかれて不貞腐れてたの。あの人が自分勝手なのは今に始まったことじゃないのにね」
ローがいくらあたしを置いて行こうと。
突き放そうと。
何度だって追いかけてやる。
──あなたを失いたくないのは、あたしだって同じなんだから。
「あの人が無茶をしないように、そばにいなきゃ。…だからね、ゾロ」
図々しいお願いなのは分かっているけど。
でも、今頼れるのはこの人しかいない。
「お願い。あたしを下まで運んでくれない?」
どう考えても一人で市街地まで降りられそうになかった。だから、あたしは、すがるようにぎゅっと手を握りしめてその人の顔を覗き込む。
ゾロは、眉間に皺を寄せて目を細める。
「…やっぱ、だめ?」
「ゾロ。きっと頭の中は彼のことでいっぱいだと思うわよ。浮上しただけでも良しとすべきじゃないかしら」
「……」
「ふふ、損な役回りね」
「言ってろ」
ゾロはそんなふうにロビンに返すと、ため息をついてから心底面倒臭そうに頭をガリガリと掻いた。それから、緩慢な動作で頭をあげ、呆れと諦めを含んだ目であたしを見たのだった。
「…これは貸しだ。あとでちゃんと返せよ」