第25章 光
ゾロの言葉に全て納得できるわけではない。
だけど、確かに一理あった。
ローが考えていることをあまり話したがらないのはいつものことだ。いつだってあの人は自分で決めて、ひとりで行ってしまう。島を去った時もそうだった。
だから、それに今更ショックを受けるのは違う。
そういう人だって分かってたはずなのに、みすみす行かせてしまったあたしが迂闊だったのだ。
それを、ひどい、つらいと不貞腐れるのは、ただの幼い甘えに過ぎない。ゾロが呆れていたのは、そういうあたしの弱さが透けて見えたからなのかもしれなかった。
置いて行かれて駄々を捏ねているのか。
それとも、己の力不足に腹を立てているのか。
仮に前者だとするなら、それは幼稚な考えじゃないのか、と。
「ちなみに、後者だったら?」
ふと気になって、目の前の人に聞いてみる。ゾロは片方の眉を上げて、平然と答えた。
「力不足を反省するのは勝手だが……、今じゃねェだろ」
底光りする瞳に見つめ返されて、あたしはぐっと息を呑む。
厳しい人だ。
厳しいけど、やはり間違ってはいない。
「アウラはどうするの?ここで全部終わるまで待っている?」
視線をあげてロビンを見ると、彼女は艶やかに笑う。
「…あたしに、できることはあると思う?」
「さぁ?…でも、そうね。あなたがいると、きっと、簡単に諦められなくなるんじゃないかしら」
誰が、とは言わなかったけれど。
ロビンの指す人が誰なのかは自ずと分かった。
「あなたがここにいたいと言うなら、別にそれでもいいけれど」
ロビンはあたしの奥底を覗き込むように真っ直ぐ見つめた。どうするの?と漆黒の瞳が問いかけてくる。
ゾロもロビンも、簡単に答えをくれない。
だけど、あたしに向けるその眼差しから、真剣に向き合い、答えを待ってくれていることが分かった。これが彼らの優しさなのだ。