第25章 光
この状況にどれだけ悲しみ、嘆いたところで、他にできることはなかった。身体中の力が抜けて、満足に立ち上がることもできなかったから。
海楼石ってここまでひどかったっけ…。
久しぶりだから?それとも、触れている面積も関係あるのかな。
現実逃避気味にそんなことを考えていると、後ろから不意に声が聞こえた。
「アウラ?」
振り返ってその姿を確認して、思わず安堵の息を漏らす。
「ロビン!ゾロ!」
あまりにもぼーっとしてたから、後ろから誰か来ていることにすら気づかなかった。
よく考えると、こんな状態で一人取り残されるって、結構、割と、相当危ない状況だったんじゃないだろうか。自分の無防備さに今更になって気づく。
敵に遭遇しなくてよかった、と一人胸を撫で下ろしていると。
近づいてくるゾロと目が合った。もともと仏頂面の方が多い彼の表情が、みるみる険しくなっていく。
「お前、何があった?」
その視線を追いかけて、あたしはああ、と頷いた。服や髪の毛に付着しているおびただしい量の血。それを見て、ただごとではないと思ったらしい。確かに、ひどい姿だった。
「…あたしのじゃないよ。あたしは、どこも怪我してないの」
ローのだから。
全部、あの人の血だから。
ぽつりと返すと、隣のロビンが何かに気づいたようにあたりを見回す。