第1章 屋上と横顔
「お兄ちゃん!またお弁当!」
「おお、サンキュー」
またいつものようにお弁当を兄に届ける。
そして消太くんの隣に座って
お弁当を広げるのが一連の流れになっていた。
お兄ちゃんの両サイドは埋まっているし
ひざしくんの大きな声を耳元で上げられるとビックリするからだ。
「インターン?」
「職場体験の本格版だよ。
本格的にヒーローとして活動するらしい」
お兄ちゃんとひざしくんは
飲み物を買いに行った。
私はイチゴミルクを頼んだ。
「そっかぁ、消太くん達しばらくは忙しくなるんだね」
「って言ってもまだインターンの受け入れ先、決まってないんだけどな」
本格的にヒーロー活動ってことは公欠も増えるのかな。
こうやってゆっくり話せる時間も中々取れないかもな。
少し残念。
「霞は?個性伸ばし順調?」
「うん!今は雲の形状変化とか練習してる!」
兄たちがいない時は近況を報告したり、悩みを相談したり、
兄に言うとへそを曲げるかもしれないが、兄よりも頼れる存在だった。