第1章 屋上と横顔
「霞、お前さ~、消太のこと好きだろ!」
「え!?」
ジャンケンで負けたお兄ちゃんと消太くんは飲み物の買出し中。
珍しくひざしくんと二人きりだった。
「俺ってば、そうゆうのわかっちゃうのよね~☆」
「っち、ちが!違うもん!!!」
「オイオイ、顔真っ赤だぜェ?
俺、そうゆう相談のれちゃうぜ~?」
「そうゆう悩みができた時に、お願いしますぅ!!!」
「素直じゃないね~」
ひざしくんがサングラスの横からチラッとこちらを見ている。
目を合わせられないのは、動揺しているからなのか・・
「その、参考までにね!あくまで参考までに、だけど・・
消太くんって彼女いたりする?」
「それもう認めてんのと同じジャネーノ!?
あいつに彼女いたら俺らびっくりよ?ナイナイ。」
「ふーーーん、そっか」
いないのか、ふーん!
やばい、顔がニヤけちゃう。ダメダメ、と顔の筋肉を引き締める。
「あ、ショータ」
ビクッと肩が上がり、バッと効果音が付きそうな勢いで後ろを振り返る。
・・・誰もいない。
隣に目をやるとひざしくんがお腹を抱えて笑っている。
騙された・・・。
「っもう!!!ひざしくん!!!!」