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partly cloudy 【ヒロアカ】

第1章 屋上と横顔 





「妹さんの個性も雲【クラウド】なの?」



意外にも消太くんの方から話しかけてきてくれた。
気を遣ってくれたのかもしれない。



「はい、兄と一緒です。
でもまだまだうまく扱えなくて。
戦闘にも向いてないし…
午前中は実技演習だったんですけど、ダメダメで。
もっと近接戦闘鍛えないとなぁ、と思ってるんですけど中々筋肉も付かなくて…
あ、ペラペラとごめんなさい。つい。」



「いや、いいよ。
自分の弱点を把握できてて偉いと思う。」



消太くんもフェンスに寄りかかって空を見上げていた。
横顔がキラキラしてみえる。




「ありがとう、ございます」



「…そのさ、敬語やめない?
敬われるほどの人間じゃないし、俺」



ハァ〜と深いため息をついている。
やっぱり気を遣ってくれているのかな。



「じゃあ、消太くんも『妹さん』呼びはナシね!
名字だとお兄ちゃんとかぶるし、霞でいいですよ」



「…ん。」



曖昧な返事をしながら少し笑ってくれた。
笑ったら、こんな感じなんだ…
なんでだろう。ドキドキする。


消太くんとの空気感が心地良かった。
始めて話した人なのに、不思議な感覚。
私って意外と静かな空間が好きなのかな。
初めて知った。



その後、お兄ちゃんとひざしくんが戻ってきて4人でお昼を食べた。
休み時間ギリギリまで屋上にいた。

心地よい風に心地よい空気。気分はとてもすっきりとしていた。


それから私は昼休みに屋上へ行くことが増えたのであった。



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