第2章 MEN
「………ぁ」
ヒロの声。気が付いたのだろう。
「ヒロ!大丈夫!?」
「あぁ……ハンジ、さん…」
良かった。意識が戻ったようだ。朧気に、ハンジさん、と私の名前を呼ぶのが愛しくてしょうがない。
「ハンジさん…っ、ゔぅっ、ぁっ、ハンジ、さ」
一時は止まっていた涙がヒロの双眸から再び溢れ出した。
「ど、どうしたの、ヒロ…?」
恐る恐る訪ねると彼女は
「ぃや…もう、こわいんです……っ」
そう零した。私の身体に、しがみついて。
ヒロは普段は滅多に甘えて来ないし、人を頼らない。限界まで強がり、その限界までもを隠そうとする。
そんなヒロがこんなになるなんて、何があったのか。
「そう…怖い、か。怖いね。大丈夫、落ち着いて」
「ぁっ、ゔぅっ、たすけて、っ」
「大丈夫。何が、怖いのか話せるかい?」
「怖い」。彼女の言う「怖い」は、一体何を指しているのか。
それが分からない限りは、ヒロを安心させることは出来ないだろう。
「ひぐっ、ゔっ、おとこのひと、っが、こわ、」
“男の人”が怖い。そういうことか。