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裏夢短編集 【第五人格】

第11章 愛は目に見えずとも 【黒無常】



×××

『今日は調子が乗らないからって事にしてあげるわ。』

雨はますます酷くなる。


相変わらず伏せたままの黒無常を見つめたまま口を開ける。


『……私は教会の方に行くよ。みんなが心配しているだろうし…』


ばっと顔を上げた黒無常に少し驚きながら、立ち上がって出口の方へ向かった。

いざ出ようと1歩踏み出そうとした瞬間____


後ろから冷たくて、温度が無さすぎる腕が腰に巻きついていた。


黒「…行かないでくれ。」


掠れた声が耳に残る。


『………分かった…』


逃げられないように強く抱きしめられている事がよく分かる。


先程よりもしっかりとくっついて離れようとしない。


『…あの…ベル野郎…』


黒「……范無咎だ。」


『……ふぁ……?………うじんで。』
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