第11章 愛は目に見えずとも 【黒無常】
相変わらずその呼び名はやめて欲しいんだけど。
『…恐怖の達人じゃなくて、私にはルイスっていう素敵な名前があるんですけどね!?』
………ガン無視ですか…
×××
生憎の大雨で少しだけ雷も鳴り出して、少し怖くなった。
黒「…今日は君とじゃれてる程の元気は無いんだ。」
『…そう。それはお気の毒さまさまですね。』
ふと、小屋から教会の壁を見つめる。
あそこには他のメンバーが居るし…ずっと元気の無いハンターと一緒にいると申し訳なくなるし…もう少しだけ待って、教会内へ行こう。
多少、濡れても気にしないし。
ずっと元気の無い黒無常を横目で見る。
いつもみたいに元気に罵ってくるのが、今日はしおらしくなってしまっている。
『…私も雨の日は嫌いだよ。思い出したくないものを思い出してしまうからね。』
『……私は早く諦めた方がいいのかもね…』ボソッ
小声で放った言葉は雨に飲み込まれる。