第11章 愛は目に見えずとも 【黒無常】
近くの小屋に入って雨が止むのを待つ。
他のメンバーは教会内で雨宿り中らしい。
しばらくすると、小屋に傘が飛ばされた。
その傘は〝あいつ〟しか出せない。
傘で飛んできたと同時に人も入れ替わる。
さっき白で追いかけられて来たはずだから、今入れ替わるのも初めて見るってことは…
____白い彼から黒いあいつに。
黒いあいつは私を見るなり、ニヤッと笑いながらこちらに近づいてくる___
そう思っていたのに…今日は元気が無さそうだ。
こちらにも気づかないまま、三角座りで顔を足の中に埋め込んでしまった。
『…いつもみたいな元気は何処ですか?』
思わず話しかけてしまった。
黒「…あぁ、恐怖の達人さんか…」