第11章 愛は目に見えずとも 【黒無常】
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チェイスに入った私はほかのメンバーにチャットを送りつつ、後ろを見て前を見てと忙しかった。
今、私を追いかけてきてるのは白無常だ。
白とは別に仲は悪くないんだ、問題は黒の方だ。
何かと黒は私のことが気に入らないのか、直ぐに口喧嘩になる。
白なら安心して話しかけられることも無く、チェイスに集中出来そうだ。
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板を先倒しして、時間を稼ぐ。
みんなが触っている暗号機に近づかないまま。
しばらく板の読み合いなどをしていると、頬になにか冷たいものが当たる。
ぽたぽたッと雨が降ってきたのだ。
ぽたぽたッと軽い音からザーザーと本降りになっていった。
『あちゃちゃ、これじゃ試合中止かな。』
予想通りアナウンスが鳴り、試合が中止になった。
大雨なのでゲートに行くよりも雨宿りして少しだけ待つ事にした。