第10章 愛及屋烏 【占い師】
『貴方のことを愛してしまった馬鹿な私。』
『愛及屋烏な私をどうか忘れてちょうだい。』
そっとウィラから貰った香水を振る。
『この行為自体無かったことにしてあげる。私の記憶の中で生き続ける事になるけど…大好きだったよイライ…。』
イ「っ…こんなことしても…」
『最後に教えてあげる。私の名前はルイス・オーウェン』
イ「…ルイス…覚えたから…」
無駄なのに、今覚えたって忘れちゃうのに。
貴方にはこの気持ちを一生分かってもらわなくてもいい。
明日には、どうせまた自己紹介をして…普通の関係に戻ればいいんだから…
涙を零しながら彼の眠りを見守った。
『次に会った時は自己紹介から始めましょう。』
『ゆっくりお休みイライさん。好きでした。』