第10章 愛及屋烏 【占い師】
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次の日になり、虚しさだけが私の胸に残った。
起きて、食堂に向かうのが怖い。今日は部屋で食べよう。
こういう日に限って試合はイライさんと被る。
イライさんは私に向かって微笑んで、こう言うんだ。
イ「初めまして。私はイライ・クラーク」
『初めまして。“クラークさん”私は……』
その時、声が掛かる。
機械技師のトレイシー・レズニックだ。
ト「おーい!2人ともー試合始まるから準備して!」
『ぁあ、ごめんごめん!今から準備する!』
イ「…分かりました。」
『私の名前はルイスだよ。クラークさんよろしくね』
そう言ってトレイシーの元へ走り去った。
イ「……何処か懐かしくて何度も聞いたことのある名前…」
ルイス…その名前は初めて聞いたはずなのに、初めてじゃない気がする。
_____貴方は知らなくていい
(終わり)