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裏夢短編集 【第五人格】

第10章 愛及屋烏 【占い師】



×××

イライさんを知っていく度に好き度が増していく。

彼の肩に乗っている梟にまで愛着が湧いてくる程だ。

そんなある日の事だった。

夜中にイライさんとナワーブ君が会話しながら歩いてるのが聞こえてきた。

私の部屋の前の通り道だったので、よく聞こえる。

ナ「イライの能力は本当に素晴らしいぜ!オマケにイケメンなんだからさぞモテてそうだな〜」

イ「ありがとう。モテてはいなかったよ。私には大切な婚約者が居るんだから。」

ナ「まっ!?!?21で婚約者持ちかよ〜!!幸せものじゃねぇか!」

イ「えぇ、とても幸せです。この指輪がある限りは。」

そんな話を廊下の通り道で大声で話すナワーブ。

大声のナワーブに感謝して良かったのかもしれない。

『そんな……婚約者が居たなんて……これじゃ勝ち目なんてないじゃん…』

嫌でも聞こえてくる、「大切な婚約者」その言葉に胸が苦しい。

息の仕方が分からない…涙が止まらないよ……

まさか…こんな…恋って自覚して直ぐに失恋なんて情けないなぁ……。

諦められるかな…私…こんな日こそお酒を飲んで忘れよう。

浴びる様に飲んだお酒…その時、私はお酒に任せてしまったのがダメだった。
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