第10章 愛及屋烏 【占い師】
「先程は案内ありがとう。」
いきなり後ろから声が聞こえて少しビクッとした。
『ぁあ、占い師さんでしたか。いえいえ!』
占「イライ・クラーク」
『?』
イ「私の名前はイライ・クラークだよ。是非名前で呼んで欲しい。」
『イライさんですね。私はルイス・オーウェン』
イ「ルイスさん。覚えました。」
ふと、先程の事が気になった私は彼に聞いてみた。
『ところでイライさん先程のことなんですけど、扉を開けた時あんまり驚いているようには見えませんでしたけど、あんまり好まないタイプでしたか?』
イ「!!ルイスさんは観察力がすごいですね…嫌というわけでは無いんです。ただ、点眼という能力があって…未来予知ですね簡単に言うと。」
なるほど、その天眼でこのサプライズがあるのを知っていたと。
『素敵な能力ですね!未来が見えるなんて誰しも持ってみたいと思います!』
イ「見えたくないものまで見えてしまうけどね…」
悲しそうな顔でつぶやくイライさん。
『…確かに見たくない未来だってあるでしょう。でも貴方の未来予知で少しでも救われる人は沢山いると思います。私は変だとも思いませんし、誇りに持ってもいいくらいですよ。』
この言葉が彼を勇気つけられるといいのだけど。