第8章 美しい君へ[黄猿夢]
ボルサリーノ[フー…今日は平和だねェ…]
報告を受けシャボンディ諸島に来ては弱小海賊を討伐し、暇になったため辺りを彷徨いて
♪〜
どこからともなく音楽が、いや歌が聞こえてきた
いつもなら気にもとめないが何故か気になった
[♪〜、♪〜〜]
1人の少女が歌いながら踊っていた
だいぶ若く自分に子供が入れば娘か孫に当たるほどの…
[♪〜…ぁ…]
少女の声が止まり気づけば目が合っていた
自分のスーツに近い黄金色の瞳、可愛らしい少女
[…もしかして、聞かれてしまいましたか?]
少し恥ずかしそうに頬染め尋ねる少女に
ボルサリーノ[綺麗な歌声だったからねェ…邪魔をしたみたいだからごめんねェ…]
[いえ、綺麗って言われて嬉しいですっ]
ニコリと微笑む彼女になぜか自分の心音が跳ねた
ん?と自分の胸元見ていれば彼女が駆け寄り
[頬が汚れてますよ、少し屈んで頂けますか?]
そう言われ屈んでみれば持っていたハンカチで汚れを拭かれちらりと彼女を見れば可愛らしいものの美しいが似合う女性だった…どこかで…
[怪我はしていないみたいですね、良かった…この辺りは海賊の方も多いので…]
ボルサリーノ[…わっしのこと知らねェのかい…?]
一般人であれば自分のことは知らないだろうが、彼女なら知っているはず、何となくそう思った
[……存じております、大将黄猿、もといボルサリーノさん]
やはり知っていたが、どことなく彼女の瞳は恐怖や畏怖、喜びとは違うどこか懐かしむような眼差しで
[母がお世話になったと聞いたので…1度会ってみたかったのです。まさかこんな所で会うとは思ってませんでしたが]
ボルサリーノ[…君のお母さんかぃ?]
彼女が向ける眼差しどこかで…