第6章 言ノ葉【沙明】
次の日。
沙明が会議に参加するようになった。
今回グノーシアは二人。沙明の特記事項を早く埋めてもう彼とあまり関わらないようにしたい。
だから沙明は残しておこう。
だが、推測からするに、彼の特記事項にはツバサも関係してきそうだ。
この二人は今回絶対に襲わないようにしよう。
私は、グノーシアだから。
彼らに疑いを向けてもいけない。
適当な人物に疑いを向けて、コールドスリープさせにいくんだ。
今日はしげみち。彼はかわいげもあまりないし、一日目にそこそこ注目を集めていた。眠らせるには一番近いだろう。
皆しげみちを疑い続け、そのまま彼はコールドスリープ。
バイバイ、しげみち。次は、もっといい形で会えるといいね。
メインコンソールから出ようとしていたツバサを誘って、少し話をすることにした。
食堂にて、ツバサの隣に座って軽食を摂りながら話す。
「そういえば、ツバサ」
「なに……?」
「いつも暗い顔をしているけど、何か辛いことでもあったの?」
ツバサは、傍目から見ても表情が暗い。
悲しみと、少しの諦めを宿したような、そんな顔。
「うん、ちょっとね……でも、そんなに大きなことじゃないから。心配しないで」
「そう……」
やはり、私とツバサの会話はぎこちない。話が長く続かず、途中で止まってしまう。
私がツバサとのコミュニケーションについて考えていると、目の前に見知った人物が座った。