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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第1章 ずっと昔から【沙明】


一日目の夜。セツと情報交換をする。
「そっか、セツが偽物だったんだね」
「そういうライトはグノーシアじゃないか……私も上手く立ち回ってライト達のサポートができるように頑張るよ」
「うん、こっちも頑張る。また明日」
セツと別れて仲間の二人を探す。
一応セツが偽物だって伝えた方がいいかな…?いやでも、何となく雰囲気で察してくれることを祈ろうか…?……うん。祈ろう。
展望ラウンジに二人はいた。ラウンジには自然がいっぱいの美しいどこかの惑星の風景が映し出されていた。
「沙明、それにツバサも。ここにいたんだ」
「おう。…んで?お前はなんでここに来たんだ?」
「二人を探してた」
「フーン?俺はお前からそういうのあんま受け付けてねーからな」
「別に下心なんかありもしないけど……ってツバサは?さっきから返事がないけど…」
「寝てる」
沙明から短く返答が帰る。そっか、寝てるのか。……ん?でも少し気になるところがある。
「なんで沙明はツバサの肩を抱いてるの?二人が仲いいのは分かってたけど、そこまで仲良かったっけ?」
「……お前には関係ねェことだ。あんま気にすんな」
これは何かあるな。ツバサは安心して眠っているようだけど、沙明のツバサを見る目が少し違う気がする。少し、執着心の混ざったような、そんな目。グノーシアになったSQが、レムナンを見る時のような目。二人の間に何があるんだろうか…
「……その話、詳しく教えて欲しいんだけど」
「…しゃーねェな。……明日俺らが一人も欠けずに残ってたら話してやるよ。……コイツには言うなよ」
ツバサの方に視線を向けてそう言った。明日、か。これはなんとしてでも生き残るしかない。銀の鍵を満たさなければ。皆のことを知って、僕も皆について理解を深めることができる。鍵を満たせば、ループから抜け出せるかもしれないし。
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