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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第1章 ずっと昔から【沙明】


僕のループが始まってから、もうどのくらいこれを繰り返しただろう。
毎回役職が変わるこのループ。
今回、僕はグノーシアであり、仲間は沙明とツバサ。
沙明は潜伏させても、騙りで出てもほとんどバレないだろう。
ツバサは基本的に沙明と同じ能力を持っているし、彼に足りないロジックもある。直感は二人ともないけど、結局直感が働くのはほとんどが運だ。
実際しげみちの嘘ぐらいだったら直感が1でも気づけるし、逆に最大でも最後まで気づかないことだってある。気づきやすくなると言うだけで、実際にはあまりなくても問題ないと思う。あったら便利だなって程度。
僕の銀の鍵は今、結構特記事項が埋まっている。
でも、ツバサはあまり空いていない。沙明はあと少しだけど。
この機会にいくつか開けよう。
ツバサと沙明はどのループでも仲がいいし、二人同時に開けることが出来れば万々歳だ。
さてと、彼らに会いに行こう。
仲間に会うために外に出る。今ほとんどの船員は起きていない。お、いたいた。
「やあ、ツバサ、沙明」
「お、ライトか。お前が仲間か?ま、テキトーによろしく頼むわ」
「よろしくね。こっち側は誰も犠牲にならないといいな…」
割と対照的に見える二人だけど、案外フィーリングは合うようで、どちらも社交的なのも相まって、関係は問題なさそうだ。
「うん、僕の方こそよろしく。」
今回はツバサと仲がいい。まあ当たり前か。
「怪しまれないようにしないとね」
「AC主義者っつーのがいんだろ?ま、そーゆーのは便利なスケープゴートとして扱ってやっか。生き残れたら、仲間としてこれからもヨロシクって感じでいいだろ」
沙明の過去を知っている僕は、その言葉の意味が何となくわかった。仮に、ツバサが凍らされて、僕と沙明が生き残ったとしてだ。僕は沙明を置いていくことになってしまう。一人でも信頼できる人が欲しいんだろうな…
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