第18章 ルビーの指輪
楽しい時間はあっという間に過ぎ、二人は帰路についた。楽しく話している内にの屋敷の前まで来た。
「さぁ。家についてしまった。今日は君とゆっくり過ごせてよかった。」
「誘ってくれてありがとう。楽しかったね。」
杏寿郎はにこにこしながらを見る。
「・・・。」
「はい。何でしょう?」
「今日は渡したいものがあるんだ。」
「本当はもっと早くに渡したかったのだが。」
「何ですか?」
杏寿郎はポケットから小さな緋色の箱を出した。の目の前でぱかっと開くとそこにはキラリとルビーが輝く指輪があった。
「西洋では、求婚する際に指輪を贈るらしい。」
「君の白い手には赤が映えると思う。作ってもらうのに些か時間が掛かってしまった。」
「2か月後、俺が17歳になったら、結婚してもらえないだろうか?君が好きなんだ。」
杏寿郎は少し頬を赤くしながら、真っすぐにの瞳を見つめて言った。
突然のことに驚き、目を丸くしていただったが、その大きな目から涙がポロポロと流れた。
涙に驚いた杏寿郎は慌ててハンカチを出し、涙を拭く。
「すまない、驚かせてしまった。、泣いてくれるな。俺は君の笑った顔に惚れたんだ。」
「返事はすぐでなくても良い。もし、他に好いた人がいるなら仕方がないが諦めよう。」