第18章 ルビーの指輪
ある春の日。杏寿郎から桜が見頃になってきたので、花見に行こうと誘われた。
杏寿郎がの屋敷に迎えに来た。
いつもの隊服ではなく、鳩羽鼠色のスーツに紺のネクタイ姿で、髪も後ろに一つに結わえていた。あまりの美丈夫ぶりにはしばし見惚れてしまった。
それは杏寿郎も同じで、勿忘草色の着物に白地の帯、蝶の模様があしらわれた着物を着たはとても可憐だった。
「!見違えたぞ!隊服を着ていても美しかったが、彩の良い着物はさらに君の美しさを引き立てるな!」
「ありがとう。着物を着たのって久し振り。」
「・・杏寿郎、洋服もよく似合ってる。・・なんだか直視できない・・。」
二人は並んで手を繋ぎ、桜を見に行った。
杏寿郎が予約していた桜がよく見える料亭で昼食をとり、町を散策して家に戻った。
桜ももちろん見たが、二人でゆっくり過ごすことはあまりないので、お互いの顔をよく見てたくさんおしゃべりし、とても楽しく過ごした。