第20章 意識不明
救護の任務が終わったはすぐに杏寿郎の所へ様子を見に行く。輸血のおかげか、顔色は良くなっていたが、傷が熱を持ち始め発熱している様だった。
は体を拭いたり、氷で頭を冷やしたり、手を握ったりしながら懸命に看病をした。
鴉からの伝言を受けた千寿郎や、怪我を聞きつけた天元や実弥が見舞いに来たが、何を話したか覚えていない。
夜になっても状況は変わらず、不安が募る一方だった。
「さん。不安なのは分かりますが、まずあなたは食事を摂ってください。」
「煉獄さんの担当の任務の代わりは今夜から継子のさんが行うんですよ。」
しのぶに言われ、朝から何も食べていないことに気付く。
アオイが作ってくれたおにぎりを口に入れたが味は感じず、飲み込みにくい。ぼんやりと、喉を通らないというのはこういうことか。と考えながら無理矢理詰め込み、担当地区の警備に行った。
変化があったら鴉が来る手筈だった。