第4章 無限列車
ある日非番だった星波はひとりで街に来ていた。
柱補佐になったことで、小さいながら自分の屋敷を与えられた星波は必要な家財道具を揃えていく。
「このくらいかな…遅くなっちゃった。帰ろう」
「お前…名は何という?」
突然話しかけられ振り向くと、鬼だ、上弦の壱…。
全く気配を感じなかったことに恐怖を感じるが動揺を隠しスっと身を構える星波。
「安心しろ攻撃をするつもりはない、名は…」
「…星波」
「姓は…」
「私は捨て子。姓はない」
「そうか、捨て子だと思っていたのか…お前の姓は継国だ。我が名は継国厳勝。お前は私の子孫だ…」
困惑する星波。
「その顔立ち…弟の縁壱そっくりだ。面白い…何百年経とうと血は変わらぬものか。」
(弟…?)
上弦の壱は懐かしむように言葉を発する。
「あれは18年前、気配を感じある屋敷に向かった…」
(18年…前…?)