第4章 無限列車
「不思議な気配を感じ足を運ぶと、ちょうど赤子が産まれたところだった。その赤子は産まれながらに呼吸を使っていた…まるで縁壱のように。お前はあの時の赤子だろう?」
(継国縁壱…?)
意図がわからないので言葉を出さず、次の言葉を待つ星波。
「赤子を渡すよう言うと抵抗したので戦いが始まった。さすが我が血を受け継ぐ末裔の剣士たち。鬼殺隊ではなかったが強かった…剣技を存分に楽しみ戦いが終わった頃、赤子の姿はなかった…」
混乱の中で一緒に死んだかと思っていたが、生きていたのか…と星波を見る。
「あなたが…私の家族を殺したの?…子孫なのに!?」
「大人しくお前を渡していれば良かったんだ…お前は何の呼吸を使う?まさか縁壱と同じか?」
「星の…呼吸よ。」
怒りをぐっと抑え答える星波。
「ほう…星か…やはり血だな。お前もあの方に言って鬼にしてやろう…私と共に生きよう。」
「共に!?行くわけないじゃない!私は鬼にはならない!お前を倒す!」
「お前と戦う気は無い…今日は失礼するとしよう」
ふっと上弦の壱が消える。
「っっ!?…継国…私の姓…」
言いたいことが山ほどあったのに、突然いなくなった上弦の壱へのやり場のない思いと突然知った自分の姓。
動揺を隠せないまま屋敷へと戻った。