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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第10章 雨だれのフィナーレ【呪胎戴天/雨後】


『何よ、それ……あたしは……あたしは、詞織が……』

「いつも、助けてくれて……愛してくれて、ありがとう」

 伏黒の腕の中から出た詞織が、詩音へ手を伸ばした。その手を数秒 見つめた詩音は、奥歯を噛み締め、フィッとそっぽを向く。

『……許すわ、あなたのことは。詞織のことは……許すって……そう決めてる。でも、伏黒 恵。あなたのことは許さない! 一生! 詞織が死ぬまで、ずっと恨んで、憎み続ける! 死んだって、許さないから‼︎』

 詩音はそう言い残すと、ふわりと浮き上がり、楼閣の中へと消えて行った。
 その背を見送っていると、不意に身体に軽い衝撃が走る。遅れて、詞織が抱きついて来たのだと気づいた。

「詞織、帰るよ」

 星也が声を掛けると、詞織が「うん」と小さく頷く。それを合図に、暗い闇は光に包まれたのだった。

* * *

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