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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】
第9章 グラン・ギニョールの演目【呪胎戴天】
「クソッ!」
そのとき――……。
――『アオ――――ォォン』
『な、なに……?』
キョロキョロと、詩音が紅い瞳を彷徨わせる。だが、虎杖には分かった。
犬の遠吠え――玉犬の……伏黒の合図だ。
この鳴き声が聞こえるということは、釘崎を救出し、この領域内を逃げ出せたのだろう。
玉犬の声が響く中、虎杖は自分の意識を沈める。
『――つくづく忌々しい小僧だ』
軽く舌打ちする声が、遠くで聞こえた気がした。
* * *
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