第10章 新たな一年
そんな事を考えていると話し声が聞こえてくる。
<8分遅刻だ>
あ、学長だ。じゃあ虎杖くん着いたんだ。
え?何で聞こえるか?
魅香に頼んだから。
じゃあ恵はグッスリって所かな?
俺も包帯適当に巻いただけだから硝子さんとこ行くか。
家入「え?何で帰ってきてすぐ此処来なかったの?」
『え?いいかな~と思って』
家入「それだけの怪我、普通の奴なら死んでるぞ」
『え、僕普通じゃないんで』
家入「怪我はまぁ治すとして、呪いは?」
『嗚呼、それならついさっき』
家入「え?」
『え?』
家入「ついさっき憑かれた?」
『そうそう』
家入「怪我治して貰った?」
『どうでしょう、だから硝子さんとこ来たんですけど』
家入「ちょっかい出しに行ってないのか?」
『途中まで行ったんですけどね、迷ったんで帰ってきましたよ』
家入「トんだ?」
『?はい』
家入「…治療するまでもなさそうだが」
『え?』
家入「じんわり治ってきてるぞ、怪我」
『ほんとだ。じゃあ寮で仕掛けようかな』
家入「いいんじゃないか?
でも包帯は巻きなおすぞ」
『えぇー。じゃあ巻きなおしてる間、驚かせ方提案して下さいよ』
家入「はいはい」
そう言って硝子さんは包帯を巻きなおしていく。
家入「そのままでも十分驚くんじゃないか?」
『?』
家入「だって包帯だらけだぞ?」
『確かに。恵は驚かせられても虎杖くんは鈍そうですよ?』
家入「…じゃあ呪霊を自分の後ろにつけて<呪いとして祓う>って言ったら?」
『それもいいかも…でも流石に可哀想』
家入「別にいいんじゃないか?」
『まぁいっか』
家入「ほら、巻きなおし終わったぞ」
『ありがとうございます、じゃあその方法で驚かして来ますね~』
家入「中々に鬼だな」