第3章 酔った勢い
『はぁ~…やっぱり無理だって~…うー気持ち悪っ…うっ…』
桜雪はフラフラと厠に向かうと吐いていた。
『うっ…ゴホッゴホッ…ウェェェ…御館様…鬼畜すぎる…』
酒にでさえここまで酔ったことはないのに実弥の血の匂いを嗅いだだけでこうなるとは予想もしていなかった。
青い顔をしながら部屋に戻ろうとすると、そこに実弥が現れた。
『お前…俺の血に酔ったのか?』
『うるせぇわ…近づくな…うっ…』
桜雪は再び厠に走って行った。
『うっ…ゴホッゴホッ…うっぅぐぅ…』
最後には吐きすぎて喉から血が出た。
『ハァハァ…もう、最悪…』
そう呟いてフラフラと厠から出てきた桜雪はこれが夢か現実かさえ分からなくなっていた。
『お前…そんなんで大丈夫かよ…』
桜雪にそう声をかけた実弥は流石に心配になってきていた。
『うるせえ…てめぇのケツも拭けねぇようなガキが他人の心配なんかしてんじゃねぇよ…』
『あァ?人が心配してんのにそれかよっ!!』
『お前に心配される筋合いねぇよ…』
桜雪は言い返しはしていたが目眩がしてきていて意識が飛びそうになっていた。
部屋に戻ろうとすると、
『っ!! 』
床に倒れ込みそうになったがいつまでも硬い感覚がやってこない。
目を開けると…そのには実弥の顔があった。
『…ったく…大丈夫かよ…』
目を逸らして桜雪は耳まで真っ赤になって何も言えなくなった。