第3章 酔った勢い
『っ!!っ!?』
『酒の呼吸…伍ノ型…雪乃舞・雪乃茅舎っ!!』
雪がふわふわと舞ったかと思うと氷の結晶が鬼の頸に向かっていく。
実弥が一瞬、油断した隙に鬼に攻撃されそうになった。
その瞬間…桜雪は鬼の攻撃を受けながら鬼の頸を斬った。
『油断すんな…アホか?お前は…』
『うるせェっ!!お前と一緒にすんなっ!!柱と一般隊士を一緒にすんじゃねェっ!!』
『一般隊士だとか関係ねぇだろうがっ!!あたしらがそこを教えねぇと野垂れ死にするだけだ!!ど阿呆がっ!!!』
『誰がど阿呆だっ!!クソババアっ!!』
『うるせぇっー!!クソガキっ!!』
『あぁ?やんのか?かかってこいやっ!!』
刀と刀がぶつかり合う。
しばらく打ち合いをしていた2人だが、桜雪は実弥の足を払うと実弥は地面に倒れ込む。
実弥の顔の目の前に日輪刀を突きつけた桜雪は言った。
『これが現実だ。あたしはおそらく、鬼の強さで言うなら上弦の鬼にはなれる実力はあると思う。お前はこんなんじゃ、下弦の鬼にすら勝てない。』
『チッ…』
実弥は起き上がって悔しそうにしている。
『さてと、殲滅したところで宿探しだ。』
桜雪がそう言うと桜雪の鎹鴉が藤の家紋の家を見つけて案内してくれた。
藤の家紋の家に着くと桜雪は実弥を避けるように用意された部屋に入った。