第23章 藤の華に揺れる〜❶〜
門の前に立って居た人がこちらを振り向いた。
『おっ?冨岡じゃねーか、こんなとこでどうした?』
隣に居たはずの宇髄様が話しかけに行ったので分かったがこの方も柱の様だ。
『…帰りに見つけて立ち寄ろうか迷って居た所だ。』
すっと視線が私の方を向く。何を考えているかは分からなかったが
私のやるべき事はひとつだった。
『そうでしたか、では、宇髄様、冨岡様、どうぞお入りください。すぐ湯浴みが出来る様に浴衣をお持ち致しますので、こちらのお部屋へどうぞ。』
『冨岡も一緒に泊まればいいな!風呂は勘弁だけどな!憂ちゃんが背中流してくれるのは派手に歓迎するけどなぁ、』
『あ、その、必要でしたらお呼びください、私食事の用意してきますので』
顔を真っ赤に染めて浴衣を手渡し逃げて言った
『……サケ大根あるといいな。』
『そこかよ。… まっ、先に風呂入るから』
宇髄の背中を見送り、冨岡は憂の去って行った方へと歩きだす。
もちろんリクエストをしに。
『んー、今日は魚にしようかな、あとは、…あ、冨岡様どうかなさいましたか?』
手を止めて近くに寄ると、すっと指を指す方を見る。
『鮭お嫌いでしたか?他の物に『サケ大根。』え?『サケ大根が食べたい』…はい、ではお作り致しますね、もう少し部屋でお待ちください』
冨岡の独特な雰囲気とサケ大根のリクエストか相まって面白くなる。
『…あのぅ、まだ何かありましたか?』
来た時と変わらずこちらをずっと見つめてくる彼の眼差しに居心地を悪くしていると背後から背の高い男性からがやってきた。
『冨岡、空いたぞ、んな所で見られてたらやりづれーだろ。早く行け、いいから。』
『あの、宇髄様ですよね?、雰囲気変わりますね、凄い美人さん!』
思わずうっとりと見つめてしまった。
『こんな地味な姿より、憂の派手な髪色と瞳の方が綺麗だと思うけどな、』
さらりと一房持ち上げて髪に口付ける姿に美丈夫の恐ろしさを知った。
『ありがとうございます。美味しいご飯作るのでゆっくりしていらしてくださいね!』
『!…あぁ、楽しみにしとく、少し寝かせてもらうから、起こしてくれ』
『はい、おやすみなさい。』