第23章 藤の華に揺れる〜❶〜
千寿郎が街で会ったと言う天使の様な女性は話を聞いていれば憂の事の様だった。
容姿の特徴から同一人物だと判明した時の千寿郎は
『凄いです!奇跡ですね!兄上!あんな素敵な人が姉上になってくれたら嬉しいです!』
と1人盛り上がっていた。ご飯を食べて誤魔化した。
そんな様子を見て何も言わないでくれるのを見て出来た弟だと思った。
夕方から任務なので仮眠を取る事にし、目を閉じた。
『今日は前みたいにはならないよね、よし!行ってきまーす!』
今日も街へ買い物だ。荷車は修繕されていて軋まないし楽に移動が出来る。
街へ着くと何やら騒がしかった若い女の子達が群がってきゃあきゃあ言っている。
色男でもいるのだろうな、自分には関係ないと思い歩き出す。
まさか見られているとも知らずに。
野菜を選んでいるとまた少年と出会った。
『こんにちは!この間はさつまいも譲っていただきありがとうございました!おかげで兄上も、喜びました!』
にこっと笑う顔、髪色、下がった眉、赫い瞳、既視感を、覚えて思わず見つめてしまう。
赤く頬を染めた顔を見て、あっ!と気付く
『あなたが煉獄杏寿郎様の、弟君?』
瞳が大きく開きビックリした顔になる。遺伝子が、凄い。
『はい!兄上が仰っていた憂さんですか?』
『姫月憂です。初めまして、』
『改めまして煉獄千寿郎です。』
兄とは違う雰囲気のある男の子だった。
『カワイイ…千寿郎くんって呼んでもいいかな?私ひとりっ子だから弟ができたみたいで嬉しくて、、ダメかな?』
『っ!ダメなんてそんなっ、憂さんとこうしてお話し出来て嬉しいです!兄上に聞いていた通り、あっ、何でもないです、』
『?、千寿郎くんはこれでもう帰るの?お茶でもどうかな??』
『嬉しいのですが、憂さんの帰る時間が押してしまいますよ?』
『一緒にお団子食べたらすぐ帰るからね?誰かとお茶するのも久しぶりだから…』
寂しそうに笑えば、千寿郎の眉もキュッと寄せられる
『お茶しましょう!僕で良ければ付き合います!』
『!ありがとう!!さっそく入りましょ!』
千寿郎くんのお兄さん愛は凄かった。思わずほっこりしてしまった。