第25章 弐拾肆 大きい身体と大きい心
『そして私達は鬼殺隊の柱です。柱がないと屋敷は建たない。でも柱だけじゃ何の意味もない。周りの支えが無ければここに立っていない。もし何かあれば私が悲鳴嶼さんを支えます、だから…今は私たちだけでも信用して下さい』
は死に際でも仲間を第一に考え、自分の身を呈する
そして長年鬼殺隊にいる私から見てもこの上ない逸材
たった二ヶ月で柱となり、その大きな心と堂々たる佇まいに
改めて柱とは何かを考えさせられた
「そうだな…、君のお陰で改めさせられた、先程の言葉を撤回しよう」
そう言って悲鳴嶼さんは先程の穏やかな気配に戻り、猫を愛でた
『良かった…』
皆一様に過去はある
今生きている私達にはその過去を背負いながらも未来に繋がなければならない
だからせめて負い目を感じて欲しくないと思った
そして昨夜の出会いは、二人の切れた糸を結んでくれた
私はこの上なく嬉しく思った
沙代…先生はちゃんと生きてるよ、ちゃんと伝えたからね…
『悲鳴嶼さんは…人の身体の中が見えますか?』
「厭…だが、心は見える、、君はとても大きく強い心をもっているようだ」
『そんなことない…ただ、折れそうな時に支えてくれる人がいるから強くいられるんです…』
真っ先に義勇の事が頭に浮かんだ
辛く押し潰されそうになっても、義勇のお陰で前を向けるから
『子猫どうするんですか?』
「私の屋敷には猫がたくさんいる故、寂しいことはないだろう」
『そうなんだ…今度見に行っても?』
「もちろんだ…歓迎する」
『ふふ、ありがとうございます』
そういって私は子猫を撫で、悲鳴嶼さんに一礼すると
自身の屋敷へ戻った