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わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第14章 無限列車


『禰豆子ちゃん、ありがとう。じきにみんなも目を覚ますわ』

少し安心した矢先。
うねうねと異形の形をした肉が乗客を襲い始める。

「うおおおおお!」
伊之助が雄叫びをあげて、起きた。
そして、そのまま天井を突っ切っていった。

よし、伊之助は起きた
善逸は禰豆子ちゃんがピンチの時に起きる
杏寿郎様は…
ううん、心配しなくても、まだここは大丈夫
杏寿郎様が起きるまで、この気持ち悪い触手みたいなのを斬る!

愛は後方の車両に向かって走り出した。

『炎の呼吸 壱の型 不知火!』

行く先々で今にも人に襲い掛からんとする肉の塊をザクリザクリと斬っていく。
一番後方まで来たので、元来た道を戻ろうとすると、ドォン!と車両が揺れた。
あ、この揺れは
おそらく杏寿郎様だわ
無事起きたみたいでよかった

その思ったのも束の間、目の前に杏寿郎が現れた。

「愛!先に起きていたか。よもやよもやだ。師範として不甲斐なし!だが、今は悔いている時間はない!」

あぁ、本物の杏寿郎様だわ

愛は夢の中であったことを思い出した。
同時にじわりと涙がこみ上げる。

泣いてはいけないと、歯を食いしばるが、ポロリと一筋こぼれ落ちてしまった。

その様子に杏寿郎は
「うむ、心配をかけた。もう大丈夫だ。俺がいるから」
と優しく言い、愛を抱き寄せた。
愛が涙を見せるといつも優しく言葉をかけ、触れてくれる。
それがどれほど安心するか。

「よし!この車両は愛に任せた!俺はその前の五両を守る。後は他の者に任せた!」

抱きしめながら、指示を飛ばす杏寿郎。

『はい。杏寿郎様の判断は間違いありません。信じます!』
愛にいつもの力強い言葉が戻ってきたので、杏寿郎は離れ顔を見る。

「うむ!俺も愛を信じている!」

そう言って、杏寿郎は前の車両の方へと駆けていった。

『とりあえず!…この、目の前のを何とかしなくっちゃ!』

斬撃を繰り出しながら車両の中を飛び跳ねる。

『炭治郎と!…伊之助が、首を…切るまで!ここはわたしが守る!』
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