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花火 ー呪術廻戦ー

第10章 変化


それから、すぐに4人は学校を出た。怪我人が出ていることも想定して、今回は硝子も同行する。
補助監督が用意した車に乗り込む際、なまえは夜蛾に肩を掴んで止められた。

「なんですか?」

「もう万全か?」

聞かれた意味は、すぐに分かった。
つい先日の任務後、なまえは体調不良で寝込んだのだ。暑くなってきたからか、食欲が落ちていると感じていた時だった。
だが、特に尾を引くことはなく、翌々日には回復。その後も特に問題なく呪術訓練にも参加していた。

「もーばりばり元気です」

「そうか。無理はするなよ」

「はい!」

なまえが乗り込むと、車はすぐに発進した。
助手席は硝子、後ろに夏油と五条、なまえの3人が乗っており、若干窮屈に感じる。


「…無事かな、冥先輩と歌姫先輩…」

我慢できずに、なまえは不安を口にした。そんな彼女の隣に座る五条は、視線を彼女に向けて。その頭に腕を乗せた。

「ここで心配してもどうにもなんないって」

「呪霊の等級報告も、事前のものと変更は無かったからね。あの2人なら問題ないはずなんだけど」

それでも、何事も絶対はない。夏油はあくまで等級にのっとった話をする。それを聞いて、助手席に座っている硝子は前を見たまま。んー、と考えるように右手を顎に当てた。

「可能性としては、閉じ込められてるっていうのが一番濃厚かな」

それだけならいいのにと。普段は振り払う、頭に置かれた五条の腕をそうする元気もなく、なまえは不安げに正面で組んだ手にギュッと力を込めた。
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