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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第2章 比翼連理




「で?…2人はどうなんだ?ゆくゆくは…なんて考えてんのかい」

おじちゃんが急に切り出した。

「え?」

ユクユクハ?

「はい、思ってます」

……

「え⁉︎そうなの⁉︎」

私は心底驚いた。
だってそんな話し、した事もないのに。
…一緒にいる時間だってままならない上に、
心が通じてからも、そんなに経っていない。

なのに宇髄さん、私と一緒になるつもりでいたの…?

「…嫌なのか?」

まともに宇髄さんにそう訊かれ、

「そうじゃないけど…」

「けど?」

「考えた事もなかった」

私の返答にがっくり肩を落とした宇髄さんは

「冷たいのねー睦ちゃん」

と嘆く。

「だいたいな、わざわざ時間を合わせて、
2人でだ、ご挨拶に来てるのに
その気がねぇわけがねぇだろ」

「…そうなんだ」

「おめぇだけだ、わかってねぇのは」

普段通りの宇髄さんにちょっと安心しつつ、
申し訳なくなってくる。
だって、そんな事、思いもしないもの。
なら最初に言っておいてくれたら良かったのに。

そんな鈍感な私に慣れている宇髄さんは、
責めるような台詞を吐くが、何とも優しい声。
…呆れているよね。
こんな私で、いいのかしら…と、自分で不安になる。

「まあまあ、ごめんなさいね宇髄さん」

おばちゃんに言われ、

「すみません!」

はっと、佇まいを直す。

「睦ちゃん、あなたはどう思うの?」

おじちゃんもおばちゃんも、
優しく私を見守っていてくれていた。

「…うん、私も。宇髄さんとならそうなりたい。
叶うのなら」

ちょっと泣いてしまいそう。
なんでだろう…

「睦ももういい年頃だからな。
そんな話しの一つや二つ、あってもおかしくはねえもんな。…割とモテるしな」

おじちゃんはイタズラっぽい笑みを浮かべた。
…この間のお客さんの話しをしているのだろう。

「アレはもう済んでるから、安心してくれよ?」

おじちゃんが念を押すように言った。

「2人とももう二十歳越えてるのよね?
もう充分すぎるくらいだよ」

「じゃ、今日はとりあえずの挨拶って事だな。
いやー、楽しみだなぁ」

「睦ちゃんの花嫁姿、きれいだろうねえ」

……

「いや、まだまだ早いけど」

私だってその事実、今知ったんだから。
ついていけないから。



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