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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第2章 比翼連理








居間へと移動し
おじちゃんはテーブルに並べた数々の甘味を
ポカンと眺めていた。
蜜璃ちゃんと行った、あの人気の甘味処に寄って
包んでもらったのだ。

「…こりゃあ…ちょっと多すぎじゃないか…」

「…ほんとね」

おばちゃんも驚いている。
それもそのはず。
羊羹にお団子、最中、葛餅、練り切り、大福、浮島、落雁、カステラ…
その他諸々が山になっているのだ。

「…すみません。俺もそう思ったんですが…
折角の機会なので…」

宇髄さんは頭をかく。

「…どうせ睦ちゃんが
あれもこれもって宇髄さんに買わせたんだろ」

「う…っ」

おじちゃんのご指摘の通りだ。
店先に並ぶ、ほとんどの種類を私は注文した。
宇髄さんには多すぎだと止められたが
私が払うからと強引に購入した。
でも結局は宇髄さんが支払ってくれて…。

「ごめんなさい」

私が小さくなると、
おじちゃんもおばちゃんも笑ってくれる。
いつも笑ってくれる、この2人が、だいすき。
宇髄さんは、私の頭にポンと手を乗せる。
見上げた先に、優しい微笑み。
…ここに来るのを、ひどく楽しみにしていたのを
見透かすような。
この3人の中にいると、
自分が子どもになった気分になる。

「じゃ志乃、しばらく甘味を買う必要はねえな」

「そうですねえ。助かったわねえ」

なんて話し出す2人。
いつも私をフォローしてくれる。

「…ありがと」

私も笑顔になれる。

「宇髄さん、すまねえな。
睦ちゃん、言い出したらきかない所があるだろ。大変だとは思うが、長い目で見てやってくれな」

おじちゃんが優しく言う。

…あれ。私、ものすごく甘やかされた
わがままっ子みたいな言われようだ。
——いや、そうなのか。

「いえ、そんな事ありません。とてもしっかりした女性です。俺の方が、戒められる思いです」

「…⁉︎」

どうしたの宇髄さん。
体中がむず痒い。
私は怪訝な表情(をしてるはず)で
宇髄さんを覗き込む。

「…何だ」

横目でじろりと見られ、

「…いえ、何でもありません」

ぱっと前を向く。

「宇髄さん、優しいのね。そんなだとこの子、調子乗っちゃうわね」

くすくす笑うおばちゃんに
私もつられて笑ってしまう。

「ひどいなぁ…。気をつけますー」



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