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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第2章 比翼連理




「…そうかぁ?」

「私の中では微妙に違います」

「…ヘェ、難しいのね」

そんな会話をしているうちに目的地に到着した。

今日はお休み。
2人の休みを合わせるのに
だいぶ時間がかかってしまった。
蜜璃ちゃんの時もそうだったが、
2人の役職は不定期で、更に忙しいようだった。
私もさっき、久しぶりに会った。
久しぶりだが、やっぱりかっこよかった。
…何を言ってんだ私。

だって、いつもの様子と違っていたのだ。
着流しか、隊服しか見た事がなかった私は、
羽織まで身につけた姿を初めて見た。
瑠璃紺の上品な揃え。
いつもの派手さは無いが、
宇髄さんのよさは最大限ひきたっていた。
それに引き換え私といえば、
申し訳ないくらいに普段着だ。
…手をつなぐのを恥じるのは、
私ではなく宇髄さんの方ではないだろうか…

「…ごめんなさい」

だって、そんなに着飾る必要性を感じなかった。
つい呟いた私に、

「…何がだ?」

不思議そうに首を捻る。

「いえ、独り言です」

「そんな独り言あるか」

「いいんですよ。さ、行きましょ」

2人でやってきたのはおじちゃんのお弁当屋さん。
前に2人で顔出してと言われたまま、
随分時間が経ってしまった。

お昼のピークを越えた今なら、
さほど問題はないだろう。

「こんにちはー」

私が声をかけると
店内にいたおばちゃんはこちらを振り向き、
奥からおじちゃんが顔を覗かせる。

「いらっしゃい、お2人さん」

「睦ちゃん!宇髄さんも。よく来てくれたねえ」

おじちゃんとおばちゃんがにこにこで
出迎えてくれる。

「こんにちは。先日は失礼しました」

宇髄さんは頭を下げた。

「何言ってるんですか。
こちらこそ失礼な事してねえ。
さぁ、奥へどうぞ?」

「おばちゃん、これお土産。
おじちゃんの好きなやつ」

そう言って手提げ袋を見せると、
おじちゃんは目を輝かせた。

「ふふ、今日はいろいろあるよ!
宇髄さんがね、すごくたくさん買ってくれたの」

「おい睦、そんな事は…」

慌てて宇髄さんが、私に何かを言いかけるが、

「そりゃ嬉しいねぇ。宇髄さんよ、ありがとう」

おじちゃんがにこりと笑ったのを
宇髄さんは驚いたように見ていた。



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