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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第2章 比翼連理




昨夜、意識を失ったまま眠ってしまった睦を、
敷いてあった布団まで運び横たえたのと一緒に、自分もそこへ倒れ込んだら、もう離したくないし動きたくないしで、結局俺も、そのまま眠ってしまった。

抱きしめるにしても、押しのけるにしても、
どこもかしこも素肌の睦。
…いや、だめだろ、さすがに。
この間も、朝っぱらから!って、こいつを怒らせちまったし。
俺は仕方なく、2人で分け合っていた薄手の掛け布団を睦にぐるぐる巻きつける。

起こさないよう、そぅっと起き上がり、
部屋の片隅で丸まっている自分の着物を
緩く身につけた。
そしてまた、睦の隣に寝転んだ。

すると、どこぞの犬の、喧しく吠える声。
あぁ、うるせぇなぁ。睦が、起きるだろ…

俺の懸念した通り、
睦は眉間にシワを寄せる。
あーあ…耳を塞いでやりてぇくらいだ。
今日は、寝坊させてやりたいってのに…。

「…」

ぱちっと目を開けた。
何度か瞬きをして、目をこする。
ぷあっとアクビをして、
半分しか開いてない目をぱちぱちしている。

か…可愛い…。
俺はにやける口元を片手で隠し、
睦を見つめる。
だんだんと頭もはっきりしてきたのか、
目玉をきょろきょろ動かして、
あちこち確認すると、隣にいる俺とやっと目が合う。

「…宇髄さん…?」

「…はよ」

「…おはよ、…ございます…?」

少しずつ色んなことを思い出してきたであろう睦は、俺が巻いてやった布団に、そろそろと顔を埋めていく。

俺はその様子を、頬杖をついたまま眺めやる。
…照れてんのか?
何にせよ、可愛いが。

「…睦よ」

「…はい」

「何してんだ」

布団の端を少しだけ指に引っかけて
下ろしてみる。
すると睦の目だけがのぞいた。
上目遣いで俺を見る。

「……」

「…ん?」

「宇髄、さん…」

「はいよ」

何だ、言いにくそうに。
…もしかして、昨夜のが気に食わなかったか⁉︎
…いやいや、そんなわけねぇ。
だってあんなに善がってたろ。
いや、でも待てよ…

そんな事を考えていると、

「…かっ、こいい…」

再び布団に埋もれて、くぐもった声で言う。

「…は?」

カッコイイ?
何だ何だ。
俺は柄にもなく狼狽える。



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