第2章 比翼連理
「お前、可愛いにも程があんだろ。
からかう気も失せる……あ!
睦、何だよ、この足は!」
「わっ!痛っ!」
宇髄さんは私の左足を持ち上げた。
その勢いで、横抱きにされるように、
宇髄さんの右膝に倒れ込む。
そうなるのがわかっていたかのように
右腕が私の肩を支えてくれた。
おかげでほとんどダメージはなかったが…
「ちょっと!持ち上げないで下さいよ!」
着物の裾を気にするが、
宇髄さんは意に介さない様子だ。
「何でこんなに腫れてんだ!
もう7日も経ってる。
治ってておかしくねぇはずだ!」
色んなことに必死で、
自分の足の事なんて忘れていた。
私は今まであった事を全部、話して聞かせた。
宇髄さんは最後まで黙って聞いてくれて、
私の頭を撫でながら「よく頑張った」と褒めてくれた。
「じゃあ明日からは自分をちゃんと労ってやれよ」
「…はい」
顔を見合わせて、
にこりと微笑みあった。
「あ、そういえば私、お茶も出さずに…」
そう言って立ち上がると、
くいと手をひっぱられ、
私は簡単に、宇髄さんの中に抱きとめられてしまった。
驚いて見上げるばかりの私に、
「お茶じゃなくて、」
「え?」
「お前がいい」
熱っぽく囁く。
「な…何言って……ふ…っ」
逃げようとしたのを見破った彼は、
私の頭を抱え込んで口づけをする。
触れるだけのそれが、下唇を甘く吸う。
「…っ」
ちゅっと音を立てて離れたかと思うと、
「ま、まって…」
やっぱり逃げ腰の私の、
開いた口に舌を割り込ませ、歯列をなぞる。
「んんっ…」
奥まで逃げる私の舌を絡め取り
ざらざらとすり合わせてくる。
「んっ…」
強く吸われたかと思えば、
歯で優しく噛まれたり、
私は、またふわふわしてきて、
力も入らなくて
宇髄さんにされるがままになってしまう。
私に逃げる力がなくなった事がわかったのか、
私の頭を抱えていた手がスルリと下りて
背中を支え、ゆっくりと床へと横たえる。
その間も口づけは止まず、熱を与えられ続けた。
行き場を無くして、
空へと伸ばした手を掴まれた。
宇髄さん自身の首へ巻きつけるように促され、
私は素直に、そこへしがみつく。