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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜





すると彼の方も
背筋がピンと伸びるくらいの力で
ぎゅっと抱きしめてくれて

「そうだろ…?お前順番違いすぎなんだよ…」

切なげな声を出した。
順番…?

「俺がどんな気持ちで帰って来たと思う?
睦に会いたくて会いたくて…
それなのにお前は
俺より先に別の男に触れやがった」

「ちょっと待ってよ…!別の男に触れるって何…」

私がそんな事をする筈がない。
と、そう思った時…
ある光景が頭を掠めた。

もしや…


…アーディルさん?


背筋に、冷水でも注ぎ込まれたみたいだ。
確かに…
天元の言う通りなんじゃないか…

さっきアシルがジャナを抱きしめたのを見た瞬間
歓喜のあまりアーディルさんに抱きついた。
しかも抱きしめ返されて

あれは天元からしたら
どう見えたんだろうか。

どうもこうもない。
こんな怒り方をしているくらいなのだから。

さっき天元は『取り戻せ』と言った。
まだそのチャンスがあるのなら
そこに縋らない手はない。

だけどもう、言葉にはならなくて
腕に力を込めて
彼を強く抱きしめるしか出来なかった。

私の必死さが伝わったのか
天元は全身を預けるようにもたれかかって来る。

「あー…睦ー…」

背中ぐるみ抱きしめて
私の頭に頬を何度も擦り付けては
ため息と共に名を呼んだ。

「…天元、」

「んー」

「だいすきだよ」

何となく、大きな誤解をさせている気がして
とりあえず気持ちを伝えてみたけれど
その瞬間、私の目からは涙が零れ落ちる。

「あぁ…?」

突然の告白。
天元はさぞ不思議に思っただろう。

「勝手な事してって思ってたかもしれないけど
私は私で淋しかったんだよ?
バカな事したって思ってたけど…でも…うぅ」

「おい睦、泣いてんのか?」

更に驚いて私を覗き込み
天元は私と目線を絡ませた。

「泣いてるよごめんね、会えて…」

そうだ、会いたかったんだ。

「会いたかったの淋しかった。
でも…腕が痛くてぇ…っ」

「何だ?腕?」

「うん腕が…っ…天元怒ってる…」

言っている事が支離滅裂。
そんな事わかってるけれど
どうにもならなかった。

流れ出した涙は止まらない。
話し出した言葉も、止まらない。
わけのわからない言葉たち。

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