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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜















口止めされている侍女の後々を考えると
詳しく聞き出すのは気の毒で。

だが手に入れた少しの情報を元に
俺は先を急いでいた。



ここへ戻り、俺と別れてからの10分の間に
トラブルもねぇのに
アーディルが王宮の外へ行ったこと


ついでに
睦も姿を消していること…


それだけははっきりしていた。

だがそれだけで充分すぎる程。


あの2人はきっと一緒だろう。
そして
あのコンビが揃って行く場所なんかひとつ。
アシル絡みしかないのだ。


だがおかしくねぇか。

俺で、よくね?
なんでアーディルなんだ。
俺が帰ってる事を
知らねぇワケじゃねぇだろう。
それを、何でわざわざアーディル?

わかるよ。
時として姉のようなアーディルは
その実、ひどく頼りになるし
俺も認めている男だ。

だからと言ってだ。
俺が除け者にされてもいいやつか?

いや、よくねぇ。
よくねぇぞ睦。
公務に発つ時に決めたんだ。
お前にも言っといたはずだよな。
帰って来たら
覚悟しとけって。





自慢の脚で
市場の中心にあるアシルが厄介になっている店へと向かう。

このままアーディルのヤツに会えば
またお1人でこんな所まで来て…
と叱られる事だろう。

だが今日に限っては
そんな事は言わせない。
お前が抜け駆けしたのが悪いのだから。

雑踏の中、ふと辺りを見渡すと
低木の影に身を潜める
睦とアーディルを見つけた。

2人して木の向こうを見遣り
何やらヒソヒソやっている。

俺は足音を隠しもせず
2人の背後に迫った…と、
その時

睦がアーディルに思い切り抱きついた

頭上から、
でっかい岩でも落ちて来たかくらいの衝撃に
俺は眩暈を覚える…


それは、


俺が1番にすべき事なんじゃねぇの?

いやむしろ、お前が俺にすべきだろ

それを、他の男にするのか睦


沸々と湧き上がる
怒りにも似た嫉妬の渦が


「睦ー…」


俺を鬼に変えたような気がしていた。











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