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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜






















待ちきれなかった。

私は
待ちきれなかったの。


それはもう、朝からそわそわしていた。
食事の時ですら
じっと座っている事なんて出来ないくらいにだ。

早く到着の時間にならないかって
そればかりが頭に浮かんで
他の何も手につかなくて…


だから到着の一報を受けた時
普段なら出ない後宮から飛び出し…
というか、出てはいけない後宮から
抜け出して
彼の元へと走り出していた。


どうか…

どうか早く!


焦りに焦って
絡まってしまいそうになる脚を
何とか前に進ませながら
私は彼がいるであろう部屋のドアを
勢いよく開け放った




室内に飛び込んだ勢いは相当だったらしく
予想よりもドアのそばにいた彼に
ぶつかるように抱きついてしまい…


「あらあら…!」


まだ手にしていた荷物を放り出し
咄嗟に抱き留めてくれる。

「熱烈な歓迎は嬉しい限りですが
誰かさんとお間違えではありませんか?」

その喜びを嚙み締めるかのように
私を抱きしめて
アーディルさんは苦笑いをした









「………で?」



私と目線の高さを合わせるため
前傾姿勢を保つアーディルさんは

「一体何をなさってるんですか?」

私が送っている視線の先を見遣り
訝しげに私に訊いた。

「まぁまぁ待ってください…!
なんか言ってます?聞こえます⁇」

私は失礼な事にアーディルさんの口を手で塞ぎ
必死になって耳をそばだてる。
なりふり構っていられない。
だって今日は大事な……

「睦様っ」

さすがのアーディルさんも
私の手をむしり取り
叱りつけるような声を上げた。

あぁもう…!

「あれはアシル様ですね。
なぜ睦様がまだアシル様を
追いかけてらっしゃるんです?」

「待ってくださいって!今大事な…」

「睦様?ワタクシ、ほんの1時間前に
帰国したばかりなのですよ?
国王様にご報告を申し上げ、
執事たちにお土産を配って
やっと部屋に戻った所で、
紅茶のひと口どころか座ってすらいないんです」



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