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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜






するとちょこちょこと現れたのは
たまたま茶の用意をしに来た侍女で
ワゴンをガラガラ押しながら
俺の元までやって来ると

「も、申し訳ございません…
アーディル様は今ご不在です…」

俺の苛立ちをまともに受け
恐る恐るといった様子で何とかそう告げた。

「不在ぃ?今帰ったばっかりだぞ。
王に呼ばれたのか」

「いえ…あ、…あの…」

俺の質問に明らかに動揺したその侍女は
自分のつま先を凝視めたまま

「…そうです…」

自信無さげに呟く。
いやいや…

絶対ぇウソじゃん。

「鬼執事長に口止めされてんの?」

「とっとんでもございません!」

涙目になりながら全力否定する侍女。
…鬼の異名は真という事か。

それにしても…
本当の事は聞き出したいが
この侍女を板挟みに合わせるのも可哀想だな。

「わかった。…んー…」

俺は腕組み、しばし考える。

ここへ到着したのが
今からほんの40分前。
諸々の報告を親父にした時は
俺の後ろに控えていた。
時間のない王のため
とりあえずの報告にとどめた
その間約30分。

その後別れ、俺はその足で後宮へ…

ほんの10分の間にアーディルは消えた。

いくら忙しい身であったとしても
いきなり姿を消すなんて…
しかもしっかり、周りの召使いに口止めをして。


俺は差し支えのない程度の質問を
ぶつけることに決めた。

「何か、でかいトラブルでもあったか?」

「ございません」

ふむ。

トラブルがあったワケでもねぇのに
この素早さ…

「不在…ってのは、
既にここにはいねぇ、って事だな」

「はい…」

外へ行った…
王宮の、外へ。

戻ってすぐに、
トラブルがあったワケでもねぇのに
ほんの10分のうちに
外……


こりゃあイヤな予感しかねぇな



そして

その予感は絶対ぇに当たる…





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