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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第9章 好敵手




肩口や胸元に、噛み付く勢いで印を残した。

「俺の…モンだ…」

「あ…っや!…っいた…ぃ…」

肌に噛み付く俺を避けようと身を捩る。

「…逃げんな…」

「ん…」

「今、誰が、お前を抱いて、る…?」

「…っ宇髄…さん…っ…いや、かまない、で…っ」

歯型の残る場所を優しく舐めてやると
ぞくりと体を震わせて

「…ぁ…は…」

甘い息をつく。

そうやって感じて、虜になれ。
俺なしでいられないように。

「ん…んぁ…っ ひ…あっあ…!」

身体に刻め。

「睦…愛してるから…。
ずっと、ここにいろ…俺だけ、見てろ」

「あ″ぁあっあ!」

収縮して俺を誘う睦の中に
堪らず愛を吐き出した。
体を痙攣させながら睦は意識を失った。
俺も倦怠感に襲われて、
そのまま寄り添い目を閉じた。



目を覚ましたと同時に、がばっと身を起こした。

睦…っ

横を見ると寒そうに体を丸めて眠っていた。
乱れた着物がそのままなので、肩も足も晒したまま。
そりゃ、寒いだろう。

横になったままでは…ましてや
丸まったままの姿勢では
緩んだ帯を結び直してやる事もできず、
いっそのこと抜き去ってやった方が
寝やすいような気がして、
こういう時の寝起きの悪さを知っている俺は
睦の上半身を抱き起こし、
申し訳程度に引っかかっている
長い帯を解いてやった。

はだけた襟元からのぞく白い肌に、
痛々しい程の鬱血痕がいくつも散っている。
それを覆い隠すように着物を深く合わせてやる。

『私を…っどうしたいのよっ!
手放したいの!繋ぎ止めたいの!』

こいつの、自分でもどうにもならない気持ちが
痛いほど伝わってきた。
あの時、俺が睦を愛し切れなかったら
こいつは俺から離れていったのだろうか。
だとしたら、このわがままを貫いて良かった。
俺のする事で、睦が気持ちをこちらに
向けてくれたのだから。

…よく寝てる。
まだ真夜中だ。
こいつが目を覚ますわけがねぇか。

そのまま胸の中に閉じ込めて横になる。
睦がここにいれば、安心して眠れる。
離したくねぇ。
そんな勝手な事を考えながら、再び眠りに就いた。



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