• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第9章 好敵手




睦は俺の元に走ってきて、

「宇髄さん!どうしたんですか⁉︎顔色が…」

オロオロと俺の手を取った。

「…どうもこうもねぇだろお前…」

相手は、不死川なのか睦。
声も情けなく震え出す。

「何だァ睦。宇髄と知り合いかァ?」

ゆっくり寄ってきた不死川が睦に声をかける。
…睦、だぁ?

「え、やっぱりお知り合いなんですね」

「そりゃァな」

「蜜璃ちゃんが知ってる時点でそんな予感がしてました」

甘露寺つながり…。

「不死川、てめぇ…」

「あァ?」

俺に睨まれて不死川も殺気立つ。

「何か間違いがあったら許さねぇからなぁ」

「…何言ってやがる」

不死川はわけがわからないような顔をする。
睦は間違いなく、お前に惹かれてんだろうが。
認めたくねぇなクソ。

「睦は俺の命だ。近寄んな」

「…はァ?」

「う、宇髄さん!何言い出すんですか!
それより顔色悪いですから…!」

俺の話を遮って、慌てて声を上げた。

「…何だ睦。不死川に知られたら困んのか」

「っ!」

睦は途端に蒼白。

「し、…不死川さんごめんなさい。
この人連れて帰ります。ちょっとおかしいみたい」

早口で言うと俺の腕を力いっぱいひっぱった。

「あァ、確かにな。こいつがおかしいのは
いつもの事だが…」

「…んだとこのやろう…!」

「宇髄さん!行きますよ!」

睦に思い切りひっぱられ、
俺は仕方なしにその場を離れるのだった。



睦が来たのは俺の屋敷。
終始、無言で腕を引かれ
結局一言も言葉を交わさないまま。
でも、何も苦痛じゃなかった。
睦と2人きりでいられるなら
どんな状況でも俺はいい。

自室まで連れて行かれ、やっと解放される。

「……」

背を向けて俯いていた睦は
困ったようにしていたが

「…お茶、入れてきます」

一言、静かに言って出て行こうとする。
睦が、
そのままどこかへ行ってしまいそうな気がして
咄嗟にその腕をつかんでいた。



/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp