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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第9章 好敵手




楽しい昼休みを過ごした私は
明るい気持ちで店に戻った。

不死川さんは、
お弁当箱の中身のほとんどを食べてくれて
また食べたいと言ってくれた。
とっても嬉しかった。
胸がどきどきしていた。

大好きな人が増えるのって嬉しいなぁ。
今まで、仲良しさんなんていらないと思ってた。
でも、蜜璃ちゃんがいて、嬉しくて、
宇髄さんがいて嬉しくて、
どんどん大切な人が増えていくと
どんどん欲が出て、もっとたくさんの人と
仲良くなれたらいいのになって…。

それは、いい事かなぁ…?
宇髄さん、嫌がりそうだなぁ。
他の男の人と仲良くするとすぐ機嫌悪くなるから…
私そんなに信用ないのかな…。

「何したんだよ今度は」

「うわぁ!」

急に声をかけられてびっくり。
いつのまにか目の前にいた宇髄さんに睨まれる。

「何ですか⁉︎」

「俺の信用なくすような何をしやがった」

そう言われて口を押さえる。
考えていた事が、口に出ていたらしい。

「何もしてません」

「…へー」

目が据わっている。

「だってホントに何も悪いことしてないもん」

「そうだといいがな」

意味深な言い方。…

「…今日は…?」

「ん?」

「私に急用?」

お店に顔を出すなんて珍しい。
いつも私の家にいて帰りを待ってくれているのに…。

「いや、特に用はねぇ。ただ睦の顔見に」

「……」

「…喜びすぎ」

苦笑して、ポンと私の頭に手を置いた。
あれ、そんなに嬉しそうな顔してたかな。
私、顔に出すぎ。…でも、

「…だって嬉しいです」

「なら、良かった。来た甲斐あった」

にこっとして、私から離れていく。

「邪魔しねぇうちに行くわ。またな睦」

ふわりと笑って店を出て行く宇髄さん。
…何となく、いつもと違う。
どこがと言われるとわからないけど、
よそよそしいような、どこか窺うような…。
私の顔を見に、なんて、今までそんな事なかったのに…




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