第1章 ※煉獄杏寿郎
「堪らないな…」
杏寿郎は微笑みながらそう言うと、耳を甘噛みし、首筋、鎖骨へと口付けを進めていった。
「んっ……、」
くすぐったいようなもどかしいような感覚に、つい声が漏れ身体はピクピクと反応する。
浴衣の上からやわやわと私の双丘を優しく揉み、杏寿郎の手に合わせて形を柔軟に変えていく。次第に先端が主張し出し、杏寿郎は敢えて周りばかりを攻め立てた。
「んぁっ……、ぁ…」
触れて欲しいのに強請れないもどかしさから身体がくねくね動き出す。
ふいに杏寿郎が浴衣の上から先端をはむっと咥えた。
「あぁっ…!」
それは私が求めていた行為だったが、薄い布1枚隔てることで焦燥感が募っていく。
「杏寿郎っ……」
「んむ、どうした?」
「ぁ…あの…、直接っ…」
なんとか絞り出して言うと、杏寿郎は満足そうに微笑んだかと思うとサラリと私の浴衣を取り去り、私は生まれたままの姿となった。無駄なのは承知の上で思わず反射的に両手でなんとか身体を隠そうとしてしまう。
「綺麗だな…」
「…嘘…。傷だらけ…だし…、胸も大きくないし…、筋肉ばっかりだし…」
そこまで私が言うと、杏寿郎は私の耳元まで顔を寄せ、
「それだけか?ならなにも問題ない。その全てを俺は美しいと思い、愛しいと思っている」
と囁いた。
普段とのギャップが酷過ぎてこれが本当に私の知る杏寿郎なのかとすら思えてくる。
また、耳元から首筋、胸、腰と口付けを落とされ、とうとう私の秘部に杏寿郎の顔が到達した。
「や、杏寿郎、汚いし恥ずかしいしっ…」
「何を言う、先ほども言ったがカヲルの全てが美しい」
「や、その状態で喋んないでっ…」
杏寿郎が言葉を発する事で呼吸とは違う不規則な息が秘部に当たりゾクゾクとする。